東北@プロジェクトについて

東日本大震災から2年。3・20これからのアスベスト対策を考える集いin仙台!

 東日本大震災から2年が経過しました。

 3月20日、シンポジウムは100名以上の皆さんの参加により熱気あふれる集まりになりました。4つの報告と討論が行われ、初めに東北大学教授の吉岡敏明さんにより、がれき処理の概要と課題について講演がありました。

 今回の震災では、がれきそのものの量の多さとその迅速な処理に加えてリサイクルという課題が課せられたことが特徴で、がれき量の推定、アスベスト含有物の対応、水産廃棄物対策など数十ものタスクチームが作られ課題に対応しながら宮城県と各自治体で処理が進められてきたことが報告されました。がれき処理は基本的に計画通りに実施されていますが、これまでにない経験だけに検証と評価が重要と思われました。続いて東京労働安全衛生センターから外山が2年間の被災地でのアスベスト対策の活動についてまとめの報告を行いました。被災地のアスベスト問題は重大な飛散はみられないものの、個別の解体や除去の現場では、十分な対策がとられずに、また労働者もアスベスト含有建材の認識がなく作業を行っている場合もあり多くの課題がある、アスベスト問題は被災地に限定されたものではなく、日本全国で同様の問題が発生しており、今後全体のアスベスト対策を実施してゆく必要があると報告しました。仙台錦町診療所の医師広瀬俊雄さんからは、石巻市内のがれき仮置き場周辺住民の大規模な粉じんによる健康影響調査の経過について報告がありました。

 立命館大学の南慎二郎さんからは、阪神淡路大震災で建物の解体工事やがれき撤去に従事した労働者へのアンケート調査の結果について報告があり、生活再建が優先されるなかで対策がとりにくかった状況、作業者は危険性への何らかの認識があったものの保護具の使用や教育が充分に行われなかったことなどが明らかになり、東日本大震災被災地でも今後も対策の重要性が強調されました。

 「中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会」の古川和子さんをはじめ、参加した7人の皆さんからは、クボタショックなど関西でのアスベスト被害の現実を紹介しながら、被災地でのアスベスト問題への関心を高めることが重要との発言がありました。

 参加した皆さんのアンケート結果は表のとおりです。全体的に良い評価を受けた思います。感想は12名の参加者が記入し「アスベストについて知らなかったことがわかった」「継続して開催してほしい」「放射線の高い地域での今後の対策を考えたい」などの意見が寄せられました。2年間の調査と活動によって、被災地現地の人々と協力しながら徐々に被災地でのアスベスト問題への関心が高まってきたように感じます。今回初めて関西からクボタショックと阪神淡路大震災を経験した皆さんの参加により、直接被災地へアスベスト被害の現実と被災者・家族の声を届けることができました。これは私たちの身の回りに残されたアスベスト対策のために被災者である当事者が発言し、関与するリスクコミュニケーションのあり方を示すものと思います。

 被災地でのアスベスト対策の活動は3年目に入り、石巻地域での継続した活動、福島への活動の拡大、アスベスト対策の検証を中心に行って行く予定です。今後も皆さんの参加をお願いしたいと思います。2年間の活動の報告書ができました。ご希望の方はお知らせ下さ(センター事務局・外山尚紀)

※2012報告集(PDF)は下記URLからダウンロードできますhttp://www.metoshc.org/_userdata/2013sinsaireport.pdf

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    • ■ 9月・被災地のアスベスト問題を考える集い(女川・気仙沼)開催しました!

       311東日本大震災から16か月が経ちました。気仙沼市では地震・津波の被害により約323万トン(推計量)の災害廃棄物が発生。7月末現在で23か所の仮置き場に98%が搬入され、157万トン(46.3%)が処理されています。

       アスベストは発がん物資です。アスベストを吸うと30年〜40年の潜伏期間を経て、中皮腫や肺がんなどの健康障害を発生させるおそれがあります。がれきや建物などの災害廃棄物にはアスベストが含まれています。がれきや建物の解体・撤去、処理のときにアスベストが飛散し、労働者やボランティア、住民が気づかぬうちにアスベストを吸い込む危険性があります。

       今年8月、阪神淡路大震災時にがれきの処理作業に2か月間従事した労働者が中皮腫を発症し、労災認定されています。今後、東北・被災地でアスベストによる環境汚染や健康被害を防止するためにどのような取り組みが求められるか、共に考え、行動していくために、9月、下記の二箇所で報告会を行いました。

    • 9月22日: 被災地のアスベスト問題を考える集いin女川

      開催時刻 13:3016:00

      ■会場  女川町総合体育館1階会議室

                (女川町女川浜字大原190女川町総合運動場内 電話0225-53-31519      

    • ・9月29日:被災地のアスベスト問題を考える集いin 気仙沼

      ■開催時刻 13:3016:00

      ■会場    気仙沼市地域交流センター・メインアリーナ

                  (気仙沼市役所ワンテン庁舎内 電話0226-22-6600(気仙沼市教育委員会))       

  • ■ 2012年度取り組み

     被災地を訪ねると、胸がつぶれるような光景に不意を突かれることがあります。石巻市立大川小学校では児童と教職員のほとんどが津波の犠牲になり、廃虚となった校舎が北上川の岸辺に残されています。コンクリートの建物が削られ、ひしゃげていて、この波に子供たちが襲われたことを思うとやりきれない絶望的な思いにとらわれます。

     同じ石巻の門脇小学校も津波に襲われましたが、直前に校舎から裏の高台へ逃れ、ほとんどの児童が助かりました。助かった子供たちは学校に避難してきた人々を津波が襲う光景を目の当たりにしました。両親、兄弟、知人を亡くした子供たちもたくさんいます。火事で破られた校舎の3階の窓は、虚空を見つめるように廃墟となった街を見下ろしています。校庭の角に25mプールがあります。夏に歓声を聞くこともなく、半端な量の水をたたえて、空の青を弾き返しながら息をひそめています。

     石巻湾を見下ろす日和山は標高56mの小さな丘で、徒歩でもわずか数分で登りきれますが、このわずかな差が明暗を分けました。4月に訪ねた日和山は桜が満開でしたが、宴席はわずかで、眼下に広がる被災地へ向けて多くの人が手を合わせていました。

     多くを失った人々が更に失うことを防ぐために、何ができるのかが問われた震災後の一年間だったように思います。

     新しい動きも始まっています。5月、石巻市災害廃棄物対策課は、市が発注する解体工事を受注する業者全体を対象とした「石綿作業特別教育」を東京労働安全衛生センターに委託して実施しました。本来は事業者が労働者に対して実施義務があるものですが、事業者の独自実施が困難なために、市が主催する形式となりました。これはこれまでに例のない取り組みとして、他の自治体などでも実施できると注目されています。

     今年度は、気仙沼などを加えて調査と活動を継続します。参加希望の方はお気軽に、東京労働安全衛生センターへお問い合わせ下さい。(事務局・外山尚紀)

    5〜8月の活動

    昨年度に引き続き石巻での活動を進めると同時に、気仙沼などでも同様の取り組みを進めています。

    女川アスベスト実態調査

    8/30-31

     

     

    石巻で

    石綿作業主任者技能講習

    8/29-30

    第2回の講習を開催し、20名の方が受講いただきました。ありがとうございました。
    気仙沼アスベスト実態調査

    8/20-22

     
    石巻市主催

    石綿作業特別教育に講師派遣

    5月17日、18日、21日

    7月3日

     

     

    石巻市では、今年度4000棟の建物の解体工事を市が発注を予定しています。従事する作業者の石綿曝露を防止するために石綿作業特別教育を市が提供し、東京労働安全衛生センターから講師を派遣しました。4日間で270名が受講しました。
    気仙沼市予備調査

    5月20日、21日 

     

     

    今年度の調査のために、気仙沼で津波被災地、がれきの仮置き場などを巡視しました。津波被災地の市街地には、未だ吹付け耐火被覆のある建物が多く残されており、漁港ではアスベストを含む波板スレートの建物が残されています。

     

    石巻で

    石綿作業主任者技能講習開催

    6月14日、15日

     

     

    東京労働安全衛生センターは東京と神奈川で石綿作業主任者技能講習の登録教習機関となっていますが、新たに宮城でも登録を受け、第1回として石綿作業主任者技能講習を石巻で開催し、30名が修了しました。

     

    気仙沼で石綿調査

    6月16日、17日、18日 

     

     

    3日間で延べ23人が参加し、気仙沼市で調査を実施しまし た。市街地のアスベスト含有建材マッピング(アスベスト含有建材の場所を地図上で確認すること)と空気中のアスベスト濃度測定を行いました。

     

    石巻市でアスベスト調査

    6月23日、24日

     

     

    神戸大学大学院人文学研究科と協力し、学生14名がマッピングなどの調査に参加しました。

     

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